秋になり朝晩冷え込むようになってくると毎年ノロウイルスが流行ってきますね。
お子様やお年寄りのいる家庭では特に注意が必要です。
国立感染症研究所の調査で、今年は例年よりも強力な新型ウイルスが発見、報告されていますので、感染者が増える恐れがありそうです。
ノロウイルスへの注意点やもし感染してしまった場合の対策についてまとめました。
ノロウイルスについて知ろう
ノロウイルスってどんなウイルス?
ノロウイルスは一般に急性胃腸炎の原因となるウイルスで、カキなどの貝類の摂食による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの排せつ物や吐しゃ物、あるいはそれらが乾燥したものから出るほこりなどを介して経口感染します。
最近のノロウイルスによる食中毒発生数は?
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | |
事件数 | 416件 | 328件 | 293件 |
患者数 | 17532人 | 12672人 | 10506人 |
死者数 | 0人 | 0人 | 0人 |
出典:厚生労働省発表
毎年一万人以上の患者が出ています。
ノロウイルスに感染するとどんな症状が出る?
潜伏期間が24時間から48時間あり、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などが主な症状です。
成人の場合、発熱はあまりありませんが軽度の発熱がある場合もあります。
1日から2日症状が続いたあと、治癒します。後遺症はありません。
赤ちゃんや幼児は発熱してから嘔吐、下痢をする場合が多いです。
発熱は38度程度で高熱が出ることはまれです。
原因となることが多い食べ物は?
食品から直接ノロウイルスを検出することは難しく、過去の食中毒事例でも7割は原因食品、感染経路を特定できていません。
食品そのものは安全でも調理した人が感染していたケースが最も多いそうです。
原因食品を特定できた中で一番多いものは、魚介類です。その内訳はほぼ二枚貝となっています。
貝は海水中のウイルスを体内に濃縮しやすいので加熱が不十分だとウイルスが死滅しないため感染してしまいます。
十分に加熱すれば、食べても安全です。
ノロウイルス食中毒が発生しやすい季節は?
10月ごろから増え始めて4月ごろまでが多いですね。寒い時期に発生しやくすなっています。
治療法はある?
現在のところノロウイルスに効く抗ウイルス剤はありません。
そのため、感染者には対処療法を行います。
嘔吐や下痢で脱水症状になりやすいので、水分と栄養の補給を十分にしましょう。
特に幼児やお年寄りなど体力の弱い方は注意が必要です。
おかゆやすりおろしたリンゴなど消化に良いものを少量づつあげましょう。
水分補給が重要ですが、嘔吐や下痢が激しい場合はすぐに病院に行き輸液など適切な処置を受けましょう。
成人の場合、下痢止め薬の使用は病気の回復を遅らせることがあるので使用しない方がよいですが、幼児の場合は吐き止めの薬など使用した方が良いこともあるので、かかりつけ医の指示に従い、薬を適切に使用しましょう。
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ノロウイルスの予防や対策法は?
食品を加熱する
一般にウイルスは熱に弱いので、食品を十分に加熱することが重要です。
目安としては二枚貝の中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。
手洗い
石鹸での手洗いは最も有効な予防法です。
赤ちゃんや幼児は手や物を口に入れることが多いのでとくに念入りに!
帰宅時、調理前、食事前、トイレの後、必ず手洗いを実施しましょう。
患者の排せつ物や吐しゃ物などに触れた場合は特に念入りに石鹸で手洗いをしてください。
石鹸自体にはノロウイルスを弱らせる効果はありませんが、皮膚に付着したウイルスを皮脂などとともに浮かび上がらせて洗い流せる効果があります。
知らない人も多いと思うのですが、病院などの玄関に置いてあるスプレー式やジェルタイプの除菌アルコールなどはノロウイルスには効果がありませんので、あくまで石鹸で手を洗う事が出来ない場合に補助的に使用してください。
調理器具などの消毒方法は?
次亜塩素酸ナトリウムや加熱処理が効果的です。
次亜塩素酸ナトリウムは家庭用の漂白剤(キッチンハイターなど)に含まれているので、食器や調理器具などの場合は通常の洗剤で洗ったあと漂白剤に浸してからしっかりとすすいでください。
衣類などは通常の洗濯をしたあと衣類用漂白剤に浸してからすすいでください。
どちらの場合も漂白剤の「使用上の注意」をよく読んでから使用しましょう。
ふきんやタオル等は85度以上の熱湯に1分以上加熱すれば、ノロウイルスを殺菌できます。
日ごろから、魚介類とその他の食品と、まな板や包丁など調理器具を分けておくことも有効です。
患者の吐しゃ物や排せつ物の付いた衣類や寝具の消毒方法は?
必ず使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用して洗剤を入れた水の中でもみ洗いをします。
しぶきが口や鼻に入らないように注意してください。
そのあと次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。家庭用漂白剤でOKです。(「使用上の注意」をよく読んでから使用してください)
そのあと高温の乾燥機を使用すると殺菌効果が高まります。
吐しゃ物や排せつ物が乾燥するとノロウイルスが空気中に舞って、これを吸い込むと感染してしまうので、乾燥する前に洗濯や掃除をしてください。
床などに飛び散った吐しゃ物はペーパータオルなどでふき取ったあと、家庭用漂白剤で浸すように殺菌してそのあともう一度水拭きします。
ふき取ったペーパータオルなどはビニール袋に密閉して捨てて下さい。
まとめ
ノロウイルスを防ぐには、まず手洗いをしっかりと石鹸ですることが重要だということですね。
そして、調理の際はしっかり食品を加熱して、調理器具も消毒を定期的に行うことでウイルスを死滅させることができます。
もし下痢や嘔吐などの症状が出てしまった場合はまずは十分な水分補給をして様子を見ましょう。
体力の消耗が激しいときや嘔吐などの症状がひどいときはすぐにかかりつけ医や綜合病院に行ってくださいね。
ノロウイルスは経口感染がほとんどなので、日ごろからのマスク着用やうがい手洗いを習慣付けしてしっかり予防しましょう。
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